ビルの半地下が天井まで冠水した。排水ポンプは、どこも貸してくれなかった
記録的な大雨で、私が持っているビルの半地下が、天井まで水につかった。
半地下には駐車場と倉庫がある。このビルの半地下は、過去にも何回か水没している。それでも今回、止水板は用意していなかった。
保険の手続きは、まだ続いている。終わった話ではないが、忘れないうちに書いておく。
Contents
Toggleその日、私はビルにいた
大雨の日、私はビルにいた。現場には行けた。
帰れなかったのは、家のほうである。電車が止まり、どこが冠水しているのかも分からなかった。その夜は、近くの友人の家に泊めてもらった。
警報が出た直後には、入居者に電話をかけた。半地下に車を置いている人には、車を出してもらった。半地下に物を置いている人には、上へ避けてもらった。
頭がいっぱいになって、そのあと、すっきりした
水につかった半地下を夕方に実際に見たとき、頭がいっぱいになった。
被害額はいくらになるのか。まず、どうやって復旧させるのか。電気の漏電はどうか。保険の請求はどうするのか。いろんなことが一度に来た。
ところが、いろいろ当たってみた結果、やれることがすごく少ないことに気がついた。
それで、逆にすっきりした。
まずは水を抜かないと、何もできない。電気を調べるのも、被害を数えるのも、保険に出すのも、全部そのあとである。
排水ポンプは、どこも貸してくれなかった
水を抜くには、排水ポンプが要る。
昔は貸してくれた、という話を聞いていた。それで、いろいろ回ってみた。
消防署には、ポンプの設備がなかった。土木事務所は、持ってはいるが貸し出しはしないという答えだった。県にも貸し出しの窓口はあったが、農地や農業用の施設のためのものだった。
やっぱり、どこも貸してくれない。
やっぱり自分で何とかするしかないんだなと、そこで開き直った。
結局、翌日にホームセンターで買ってきたポンプ1台と、エレベーターの保守会社が持ってきてくれたポンプ1台の、2台で抜くことにした。
2台で約9時間。10分ごとに写真を撮った
排水は翌日の夕方から始めた。
このとき、10分ごとに写真を撮ることにした。水位がどれだけ下がったかを、あとで時刻と一緒に見られるようにするためである。次に同じことが起きたとき、どれくらいで抜けるのかの目安になる。
写真を並べると、天井まで来ていた水が床まで下がるのに、約6時間45分かかっていた。エレベーターの一番下の穴(ピット)まで抜けたのは、約8.5〜9時間後だった。昼間だけポンプを回すなら、2日がかりになる。
水を抜くだけでは、終わらなかった。
排水2日目の朝には、火災報知器が鳴った。地下の感知器が水に濡れたのが原因だった。しかも受信機は、無人の時間帯は誰も入れない場所にあった。保守会社の緊急窓口に頼んで、止めてもらった。受信機の置き場所は、今、移すことも含めて考えている。
エレベーターの復旧には、水が抜けてから丸1日かかった。私も作業を手伝った。
電気のことも調べた。電力会社は、建物の中の漏電の点検はしないという答えだった。見てもらうなら電気工事店か、自分でやるかになる。私は大家になってから第二種電気工事士を取っているので、自分で見るという道もある。
お金がもらえる制度は、なかった
被害が出ると、何かもらえる制度があるはずだと探したくなる。私も探した。
私が調べた範囲では、事業用の建物で、お金がもらえる制度はなかった。見舞金は住まいの床上浸水が対象で、ビルの半地下は当てはまらなかった。融資や減免の制度はあったが、私は使わないことにした。
残ったのは、保険だけである。
保険の現地確認では、ほとんど「水がどこまで上がったか」だけを見られた。特別な指摘はなかった。報告は、壊れた物を紙に一覧で書いて、写真を付けて出す形だった。買い替える物は、ネットの商品ページの画面を写したものでいいと言われた。
期限は決まっていない。
次の雨のために決めたこと
振り返って、いくつか決めた。
地下に「目」を置く。カメラか、水漏れのセンサーである。水が来ているかどうかを、見に行かなくても分かるようにしたい。
水が来る前に、地下の回路だけ自分でブレーカーを落とす。そのために、分電盤の写真を撮って、どの回路が地下なのかを分かるようにしておく。
ポンプと一緒に置いておく物も決めた。腕まである厚手のゴム手袋。落ち葉をすくう大きめのザル。ライト。ポンプの吸い込み口には落ち葉が集まるし、夜の地下は真っ暗だからである。
止水板も、比べているところである。
私が思っていること
今回、止水板は用意していなかった。
土のうでもいい。まず、やれることをやらないといけない。
そして、被害はあるものとして考えなければいけない、と感じた。過去にも何回か水没しているビルである。
被害はある。けれども、その被害を最初に抑える努力をする。それが大切だと思った。
水につかった半地下を見て、頭がいっぱいになったあと、やれることが少ないと分かってすっきりした。まず水を抜く。それしかなかった。
水の被害については、天井からの水漏れで修理費が50万円かかった話も書いている。
この記事は、築古5物件を自主管理する私自身の経験をもとに書いています。

































