うんこまみれ190万円、火災保険の破損汚損特約に救われた話

退去後、部屋のドアを開けたら、うんこまみれだった。原状回復費は190万円。
このブログでは、私が実際に経験してきた大家としてのリアルなトラブルや、その解決方法をお伝えしていきます。不動産投資や賃貸経営を考えている方、すでに大家をやっている方に少しでも参考になれば嬉しいです。
記念すべき第1回目は、私が経験した中で最もインパクトのあった「ある入居者トラブル」についてお話しします。
きっかけは、別の部屋の内装工事だった
その日、2階の空き室で内装工事をしていた業者さんから、突然こんな連絡が入りました。
「トイレの上の天井に、水漏れの跡があります」
正直、最初はよくある水漏れトラブルだと思っていました。ところが、業者さんに3階の部屋を確認してもらったところ、想像をはるかに超える状況が待っていました。
扉を開けたら、そこは地獄だった
3階に住んでいたのは、入居歴1年半ほどの男性でした。入居中は特に問題もなく、家賃も保証会社経由で払われていたので、まさかこんなことになっているとは思いもしませんでした。
業者さんが部屋に入ってみると…
- ダイニングのトイレ前はうんこまみれ
- トイレの中は真っ黒に汚れた状態
- 奥の部屋には布団が敷かれたまま
- 部屋全体がゴミ屋敷状態
言葉を失うとはこういうことだと思いました。
さらに、その数日後。その入居者は他人の財布を盗んだとして警察に逮捕され、そのまま連絡が取れなくなってしまいました。
原状回復の見積もりは190万円
業者に原状回復の見積もりを依頼すると、出てきた金額は190万円。
家賃4万円の部屋です。単純計算で4年分近くの家賃が吹き飛ぶ金額です。
頭が真っ白になりました。
原状回復と言っても、ただクリーニングして壁紙を張り替えれば終わりというレベルではありませんでした。床材も家具も設備も、すべて入れ替えが必要な状態でした。便器、洗面台、内装、消臭処理、廃棄物処分。一つひとつの項目を見ながら「こんなにかかるのか」と思うばかりで、減らせる項目は一つもありませんでした。
「入居者の火災保険」では対応できなかった
多くの大家さんは、入居者に火災保険に加入させておけば安心、と思っているかもしれません。私もそう思っていました。
しかし今回は、2つの理由で入居者の火災保険が使えませんでした。
理由①:本人が連絡不通のため請求できない 火災保険の請求は、原則として契約者本人が行う必要があります。しかし入居者はすでに逮捕されており、連絡が取れない状態でした。
理由②:「故意」と判断される可能性があった 火災保険はあくまで「事故」に対応するものです。今回のような状況は故意による損害と判断されるリスクがあり、保険会社からも対応が難しいと言われました。
救ってくれたのは「オーナー側の建物保険」だった
実は私は、建物全体に対してオーナー自身が加入する火災保険に入っていました。

そしてその保険に「破損・汚損特約」がついていたことで、今回の原状回復費用をカバーすることができたのです。
これは本当に助かりました。もしこの特約がなければ、190万円を自己負担しなければならないところでした。
大家さんへのアドバイス:入居者に保険を入れさせるだけでなく、オーナー自身の建物保険に「破損・汚損特約」をつけておくことを強くおすすめします。
火災保険の特約は、保険会社や契約プランによって名前が違います。「破損・汚損特約」「家財損害特約」「事故対応費用特約」など。同じような内容でも、契約書を読まないと該当範囲がわかりません。
大事なのは、契約時に「故意による破損も対象範囲か」「家賃損失の補填があるか」「廃棄物処分費は出るか」を一つずつ確認することです。今回の私のように、想定外の事故で初めて契約書を読み返す、というのは避けたいところです。
保証会社にも助けられた
もう一つ助かったのが、保証会社の存在です。
入居者が逮捕・連絡不通になった後、保証会社が動いてくれて、正式な手続きを経て部屋からの追い出し(明け渡し)を進めてくれました。
さらに、ゴミ屋敷状態だった室内のゴミ撤去と、少額ではありますが原状回復費用の一部も負担してくれました。
もし保証会社に加入していなかったら、こうはいかなかったはずです。明け渡しを大家自身で進める場合、弁護士に依頼して内容証明を出し、強制執行の手続きを取り、平行してゴミ処分業者を手配する流れになります。費用も時間も自分持ちで、判断も全部一人。私のような自主管理派の大家にとって、保証会社は「大家側を守ってくれる存在」です。
この経験から学んだこと
大家を10年やっていると、本当にいろんなことが起きます。今回の経験から私が学んだことをまとめると:
- オーナー側の建物保険に「破損・汚損特約」を必ずつけておく
- 保証会社には必ず加入してもらう
- 入居者の火災保険だけに頼らない
- 定期的な部屋の状態確認の仕組みを作っておく
どんなに普通に見える入居者でも、何が起きるかわかりません。備えあれば憂いなし、というのを身をもって経験しました。
その後、この部屋はリフォームを経て、しばらく入居者が決まる形に戻った。それでも経営の課題は次々と来る。今は3部屋同時の空室と向き合っているところだ。トラブルが終わっても、大家業は続いていく。
モンスターカード No.001「汚染者」

このブログは、大家歴10年の個人的な体験をもとに書いています。法律や保険の詳細については、専門家にご相談ください。





















